【コラム】情シスの抱える課題や解決策
今やビジネスに欠かせない存在となったIT機器およびITインフラ。そんなIT関連を管理する情報システム業務(情シス)にはさまざまな課題があります。経営層から見た情シスの課題と、経営層が認識しづらい課題の両方をコラム形式でご紹介しましょう。
経営目線で見る!情シス部門の課題リスト
まずは経営層として認識しておくべき、情シス部門が抱える課題を解説します。特に一人情シスあるいは兼任情シスにはリスクが大きいことをしっかりと理解し、対策をおこなうようにしてください。
ひとり情シス
情報システム業務は、多くの企業にとって重要な業務の一つとなっています。さらに 情報システム業務をアウトソーシングする企業も多く、上手にアウトソーシングを活用して効率的にビジネスを加速させています。
情シスの兼務
多くの中小企業では情報システム業務における人的パワーが不足しており、複数の業務を兼務している担当者が疲弊している現状があります。
そうした問題を解決できる手段の一つとして、アウトソーシングの活用があります。現在は情報システム業務をアウトソーシングできる体制が整っており、実際に業務の一部をアウトソース化している企業も多数存在しています。
2025年の崖
既存システムが事業部門ごとに構築されているため、全社横断的なデータ活用ができなかったり、過剰なカスタマイズがなされているなどの理由により、複雑化・ブラックボックス化されています。
そのため経営者がデジタル・トランスフォーメーション(DX)を望んでも、現場サイドの抵抗が大きくいかにDXを推進していくかが大きな経営課題となっています。2025年以降、年間に最大12兆円の経済損失が生じる可能性があり、これを2025年の崖としています。
ツギハギのシステム
企業の成長に合わせてシステムを拡張していった結果、複雑でツギハギだらけのシステムになってしまったという課題を抱える企業は多いです。ツギハギだらけのシステムは運用業務が非効率になり、データの保護管理体制にも不備が生じます。重要なデータが重複保存されることでセキュリティ上のリスクも高まる危険があるのです。
後進育成
情シスは明確なスキルがなく、会社や部署ごとに求める役割も異なります。人数が少なくても増員されない一方で、運用管理の業務負荷は増大しており、情シスの更新育成が困難な環境となっています。そもそも社内における情シス像が明確でないため、会社でのキャリアパスも描けず、育成環境が整わない現状なのです。
情シスに必要な人材と育成のポイント
日々技術は発展し普及が広がっていくDX化において、情シス部門では日々情報のアップデートが求められます。必要な知識はもちろん、トレンドに合わせた情報をしっかりと取得し業務に反映していく柔軟さなども、情シスには求められます。
情シス採用の難しさ
近年は情シスに対するニーズの高まりと人手不足の影響により、情シスの採用が難しくなっています。さらに転職を希望している情シスの割合が高いという調査結果もあり、自社採用だけでなくアウトソーシングの検討も必要です。
情シス部門のベンダー丸投げは危険
情シス部門の業務の重要性が分かっていない場合や担当者のスキル・ノウハウが不足している場合、業務をベンダーに丸投げしてしまうことがあります。しかし情シス部門の業務は内製・外注をどのようなバランスで行うかがとても重要です。
経営課題で見る!情シスが抱える業務の課題
日本が国を挙げてDXを推進するなど、情シスに対する期待はますます高まっています。一方で、経営層が思っているほど情シスが成果をあげられていないと感じているケースが多いのが事実です。その理由について解説します。
情シスの「オンプレ」とは
情シスにおけるオンプレとは、物理サーバーによりシステムが運用・保守されます。イニシャルコストがかかるなど仮想サーバーであるクラウドに比べると劣る点もありますが、自社に合わせた仕様で作成できるなどのメリットもあります。
情シスとクラウド化
情シス部門においてはクラウド化が年々普及しています。今や導入は必須となりつつあり、国の施策によるDX化の推進や感染症対策など外的環境の影響が非常に大きくなっています。メリット・デメリットを比較したうえで、導入を検討する必要があります。
クラウドの選び方
自社でクラウド導入を検討しているものの、どう選んでよいか分からないとお悩みの方も多いことでしょう。ポイントは、ズバリ、どのようなシステムやサービスがあるのかを理解した上で、自社のニーズに適したものを選ぶというのに尽きます。そのためにも知識を深める必要があります。
情報システムのBCP対策
地震などの自然災害やサイバー攻撃などから、情報システムを守り事業を継続させるbcp対策。顧客情報や商品情報を守ることは、企業を存続させるうえで欠かせません。ITシステムだけでなく、総合的なBCP対策が非常事態から会社を守ります。
RPA推進
RPA導入にあたり、RPAで自動化できることとできないことがある点には注意が必要です。フォーマットが確定しており、変化がない業務はRPAが向いています。一方で、入力業務でも細かな設定があるものは実装に負荷がかかる上、定期的なメンテナンスが必要になります。情シスは、RPA導入にかかる手間に対して、どこまで効果が出るのかを見極める必要があるでしょう。
システム保守と運用の違い
システム運用とシステム保守の定義は、なかなか明確に答えることは難しいです。この2つを一言でいうと、システム運用は、「日々、システムを動かす作業」です。一方、システム保守は「システムの改修や調整、修理をする作業」です。
サーバー障害への対応
アクセス集中などでサーバー障害が発生してしまうと、販売機会喪失やブランド力低下、さらには関係各所への賠償責任といったことも発生するリスクがあります。ゆえに、サーバー障害への対応や対策は重要性が高く、事前にしっかりとした対策を講じておくことが不可欠なのです。
クラウドセキュリティリスク
クラウドサービスはその方式ゆえに、悪意のある第三者がセキュリティの壁を破って侵入し、情報データを盗み出すというリスクがあります。具体的にどのようなリスクがあるのか、どのようなセキュリティ対策があるのかを理解し、適切に備えておくことが重要です。
情シス退職のリスク
情シスの業務は属人化しやすく、担当者が退職するとそれまでのノウハウが失われ、業務が滞る可能性があります。特に一人情シスあるいは兼任情シスの場合は目も当てられません。情シス担当者が退職するリスクを考慮に入れた人員配置あるいはアウトソーシングが必要です。
情シスが定着しない
情シス部門に所属する従業員は非常に転職率が高く、ある調査によると約4割の情シス担当者が転職を考えているといいます。なぜ情シス部門の担当者が転職を考えるのかその理由を正しく理解し、対策するようにしてください。
増え続けるテレワーク
新型コロナウイルスの流行を機に普及したテレワークですが、テレワークの存在が情シス担当者にとって大きな負担になっています。なぜテレワークが情シス担当者の負担になるのか、その理由の解説やテレワークをアウトソースで導入した事例をご紹介しましょう。
現場の嘆きを聞いてくれ!情シス課題コラム集
情シス部門の業務は専門性が高く、課題や悩みが正しく経営層に伝わらないことがよくあります。現場が抱える課題を具体的にご紹介しますので、情シス部門の業務および待遇改善に活用してください。
情シスが苦悩するRPA
これまで人の手で行われていた作業を、ロボットが自動で代行するRPA。作業工数の圧縮やヒューマンエラーの抑制、残業時間の削減などが期待できるとして注目されています。ただ、誰でも使いやすい反面、会社全体での統一を難しくしてしまっています。
Microsoftが提供しているプログラミング言語「VBA」
VBAは便利な機能である反面、高度な知識とスキルが求められるなど、特定の人しか使いにくいのが欠点。属人化Excelの引き金にもなりやすいことから、VBA作成やRPAツールなども使った作業の可視化が求められています。
コストセンターと呼ばれる情シス
情シス部門はシステムの管理業務などが主となるため、「売上を直接的に作らないコストセンター」と思われがちです。しかし業務効率化により全社的なコストを抑制し、結果として利益に結び付ける情シス部門は必ずしもコストセンターであるとはいえません。
情シス部門はなぜ無能に見えるのか
研究開発や製造、営業といった重要部門のような華やかさのない情シス部門は「無能」と思われがちです。売上に直結する部門ではないので仕方がないですが、経営陣はその重要性をしっかりと理解しておく必要があります。
嫌われる情シス
情シスの傾向として、ルールを重んじ、運用手続きを重視し過ぎる点があります。情シスは最先端の技術や知識を持っているように見えますが、自社の情報システムしか知らないケースが多いのです。業務に対する知識と経験は利用部門に及ばず、新しい技術やシステムへの知識についてはベンダーの技術者に及びません。そのため他部署との連携が取りにくく嫌われる傾向にあるのです。
情シスもリストラの対象に
社内システムの保守や運用に必要不可欠な情シス部門ですが、近年ではクラウド化の普及や外注が可能になっていることから、リストラの対象となるケースも増えています。場合によっては子会社化していた情シス部門の売却も行われています。
野良IT(シャドーIT)のリスクとは
野良IT、あるいはシャドーITとは、企業において情シスなどのIT管理部門が認知していないデバイス、サービス、システムのことを指します。コストやセキュリティリスクの増大を招くため、対策が必要です。
情シスは報われない
企業のDX推進やIT化が加速度的に進んでいる時流にもかかわらず、情シスの仕事をしているが報わなさを感じているという声が実に多く聞かれています。率直に言ってしまうと、ITリテラリーが低い人材が多い企業ほど、そうした状況に陥ってしまうというケースが多くなる傾向。そのような環境では、いくら情シスが奮闘しても「情シスのおかげ」と認識されないというジレンマを抱えてしまうことになります。そうした状況を改革するためには、情シスの仕事内容や果たしている役割、成し遂げた成果などを、社内に効果的にアピールすることが重要になります。
ビジネスを前に進めるためにできること
これからの世の中でビジネスを維持、発展させるためには情シス部門の活躍が欠かせません。経営層が情シス部門とどのように向き合えばよいのか、そのマネジメントや経営テクニック、選択肢について紹介します。
情シスのSLAとは
SLA(Service Level Agreement)とは、サービスの提供業者と利用者の間で結ばれる、サービスの定義や範囲、内容、達成目標などに関する合意サービス水準、サービスの品質保証のことです。これは、サービスを提供する事業者が契約者にたいして、どの程度までの品質保証できるかを明確に示すものです。
SRE
業務的な負担の大きさなどが問題となっているひとり情シス状態。そうした状況を改善できると期待されているのが、かのGoogleによって近年提唱されているSRE――“Site Reliability Engineering”というチーム体制。サイトの信頼性を向上のため運用の合理化、自動化を図るというやり方になります。
情シスの派遣
自社のシステム導入や管理などを専門的に行う情シスは、必ずしも自社雇用の社員である必要はありません。より専門的知識を持った派遣従業員を活用することにより、必要な分だけの人員リソースを補充するということも可能なのです。
情シスの委託
情シス部門の業務は自社内で行うよりも外注をした方が効率化を図れる場合があります。そういった場合には、自社の業務を洗い直したうえで、どの業務を委託するのかについてしっかりと検討を行う必要があるでしょう。
情シスをアウトソーシングするメリット
情報システム業務は、多くの企業にとって重要な業務の一つとなっています。さらに 情報システム業務をアウトソーシングする企業も多く、上手にアウトソーシングを活用して効率的にビジネスを加速させています。
情シス必須のベンダー選定術
情報システム部門のベンダー選定プロセスに焦点を当て、選定には事前調査、選定準備、評価・選定の3段階があり、要件の網羅性、コスト、納期、開発体制などを考慮することが重要であることを説明しています。
情シスのベンダーコントロール術
情報システム部門におけるベンダーコントロールの方法とその重要性を説明しています。ベンダーコントロールには、プロジェクトチームとしての協力、認識の統一、プロジェクトゴールの明確化、契約内容と役割分担の明確化、迅速な対応、文書化による記録保持が重要です。また、情シスとベンダー間の信頼関係を深め、協力してプロジェクトを成功させることが強調されています。
アフターコロナの情シスはこう変わる
世界的に大きな混乱をもたらしたコロナ禍において様々な制約や困難に直面したことで、テレワークが急速に普及することとなりました。アフターコロナを迎えた現在、出社して働く方式への回帰が見られる反面、出社とテレワークを組み合わせて働く、テレワークを継続するという層も固定化されつつあります。そうしたなか、情シスにはコロナ禍において露見した様々な課題や問題点を解決するための役割や、アフターコロナにおける、さらなるDX化推進を支える役割が追加されることになります。
おすすめのアウトソーシング会社3選
情報セキュリティに関する第三者認定を取得している点に注目し、その上で他にも特徴的なサービスを提供しているアウトソーシング会社を選定し、おすすめしています。
「情シスアウトソーシング」とGoogle検索し、ヒットした上位50ページのサイトのうち、公式サイトが表示された会社28社を調査。そこから、オンサイト対応している、公式サイトに事例を掲載している、プライバシーマークもしくはISO27001を取得している会社からそれぞれ選定して紹介しています。(2024年4月15日調査時点)
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