ネットワーク管理・改善
現在、クラウドシステム・テレワーク全盛期ともいえる状況であることから、ネットワーク管理や改善が非常に重要となっています。こちらの記事では、情シスのネットワーク管理業務の概要に加えて、ネットワーク管理・改善業務をアウトソースするメリットなどについてまとめています。
情シスのネットワーク管理業務とは?
ネットワークの生死監視・トラブル対応
社内の業務がスムーズに進められるように、ネットワークに不具合が起きていないかを確認します。もし不具合がある場合にはトラブルが発生する前に改修を行うといったことも大切な業務です。また、トラブルが発生した際の原因究明や問題解決、復旧業務なども行う必要があります。
ネットワークセキュリティ管理
アクセス制限を行う、パスワードを管理するといったようにネットワークにおける重要な情報を管理し、さまざまなリスクに対応します。ネットワークセキュリティの管理を行うにあたっては、ウイルス対策ソフトの導入、マルウェア対策、社内ネットワークアクセスに対する証明書を導入するといった方法が考えられます。
ネットワークに関する設備管理
社内でネットワークに関係する設備にはさまざまなものがあります。電源やケーブルなどの備品を管理したり、ネットワーク機器の交換・更新などもネットワーク管理業務のひとつです。また、リモートワーク用の設備や環境構築、運用管理を手がけるといったケースもあります。
ネットワークが遅い!よくあるクレームの原因
ネットワークケーブルがプロバイダと合わない
社内のネットワークが遅くなる原因として、使用しているネットワークのケーブルとプロバイダが提供する通信速度が合っていないケースが考えられます。
そのため通信速度を存分に発揮するには、社内で使用するLANケーブルやスイッチなどもインターネット回線のスペックに合った規格のものを使用する必要があります。逆に規格が合っていないものを使い続けた場合、思ったような速度が出ないといった状況に陥ってしまいます。
無線LANの電波干渉
無線LANの電波干渉によってネットワークの速度が遅くなるおそれもあります。無線LANにおいては、使用できる周波数が「2.4GHz」「5GHz」の2種類があります。
「2.4GHz」は電波が遠くまで届く・壁や床などの障害物にも強いといった特徴を持っているものの、電子レンジなどでもよく利用される周波数であるため、近くに家電が置いてある場合には電波干渉を起こすケースもあります。また「5GHz」の場合は障害物があると電波が弱まりやすいものの、電子機器が多い環境でも比較的通信が安定するといった面もあります。そのため2つの周波数を使い分けることで通信速度が向上する可能性があるといえます。
階層構造が複雑
社内ネットワークの階層構造が複雑になっている点が原因で、ネットワークの速度が遅くなるおそれも考えられます。一般的に、社内ネットワークは複雑な構造になっています。もし階層が整理されていたとしても、ルーターやスイッチなどそれぞれの機器において処理時間が発生することによって、ネットワーク全体が遅くなるといったケースがあります。
特に社内ネットワークの規模が大きい場合には階層構造も複雑になっていることが多く、通信速度の低下が起こってしまうケースが見られる場合もあります。
帯域不足
従業員が一斉に社内ネットワークを利用し、帯域不足によって通信速度が一時的に低下しているといった場合もあります。同じタイミングで容量の大きな資料を一気にダウンロードしている、また複数の部署でWeb会議が行われているといった場合などにネットワークが遅くなっていると感じられることもあるでしょう。
その他外部要因
社内ネットワークには問題がない場合、外部からの影響が原因となりネットワークが遅くなる、といったケースも考えられます。例としてはプロバイダの通信障害、クラウドサービスのサーバーが落ちている、外部からのサイバー攻撃といったものがあります。
このように外部の要因が考えられる場合には社内の情シスでの解決は難しいといえますが、事例として知っておくことをおすすめします。
情シスができるネットワーク遅延への対策
Windows Update対策
Windows Updateは全端末同時に発生します。そのタイミングで社内の端末が一斉にインターネットに接続しようとすると通信速度が低下する可能性があります。
そこで活用したいのがWindows端末に搭載されている「BITS機能」です。これは「Background Intelligent Transfer Service」の略で、ネットワークの空き帯域に合わせ、他のネットワークアプリケーションの通信を邪魔せずにファイルの送受信を行うための機能です。この機能を利用すると、1つの端末でWindows Updateの際に利用できる帯域の制御が行えるようになります。
また、Windows Server 2008 R2から導入されたネットワークへの負荷を軽減する技術である「ブランチキャッシュ機能」を利用する方法もあります。こちらの機能を活用することで、同じLAN内でアップデートファイルを受け取っている端末から未受信の端末へのデータ転送が可能になるため、インターネット回線への負荷を軽減できます。
さらに、ゲートウェイのルーターによってWindows Updateで利用する帯域制限を行えば、インターネット回線への負荷を減らすことも可能です。
LBO(ローカルブレイクアウト)の活用
企業でインターネットへアクセスをする際、一部のトラフィックを対象として各拠点から直接インターネット接続する、という「LBO(ローカルブレイクアウト)」を活用するのもひとつの方法です。
信頼性の高いクラウドサービスを利用している場合には、インターネット回線から直接アクセスし、それ以外の場合にはVPNを通じセンター拠点のUTM経由でアクセスするといったように、トラフィックの振り分けができるようになります。このように、セキュリティが確保されているクラウドサービスの場合には、VPN経由でインターネットに接続するよりも、それぞれの拠点から直接インターネットへ接続を行うことによって、通信速度の向上が期待できます。
インターネット回線の見直し・増強
インターネット回線の見直しや増強に取り組むのもネットワーク遅延への対策のひとつです。回線見直しを考える際には、「帯域保証型の回線か」という点を確認した上で乗り換えを行いましょう。もし、この時にベストエフォート型の回線を選んでしまうと、実際には通信速度が思ったほどでないといった状況になるおそれもあります。
また、高速で安定した通信品質を提供する方式である「IPv6接続」に対応しているかどうかもチェックしておきたいポイントです。プロバイダによっては対応していない場合もあります。社内端末の設定の見直し
契約しているインターネット接続回線と社内ネットワークの端末の設定が通信規格に合っているかどうかを確認する、という点も大切です。また、ハブやPCの通信規格が古い場合には、社内端末の見直しをするのもひとつの方法です。
さらに確認しておきたいのが、従業員のPCの使い方によって動作が遅くなってしまうケースもある点です。動作が遅くなる使い方として、デスクトップにデータを保存する癖がある場合には要注意です。この場合、デスクトップにデータを大量に保存するとシステムを圧迫してしまうため、外付けHDDなど適切な場所にデータを移すことによって動作速度が向上するケースもあります。
ネットワーク管理・改善をアウトソーシングするメリット
専門家のサポートが受けられる
ネットワークの管理を行うためには、セキュリティや物理サーバーなど、さまざまな専門知識が求められます。アウトソーシングサービスを利用した場合には、必要な知識を備えた専門家のサポートが受けられるため非常に心強いといえるでしょう。
DX促進が期待できる
アウトソーシングサービスの中には、社内のネットワーク環境に関する提案を行ってくれる場合もあります。例えば、ネットワークの仮想化などの提案により、DXの促進が期待できるというメリットも考えられます。
アウトソーシングサービスを利用する場合には費用がかかるものの、情シス部門のスタッフが不足している場合には人材を採用する・教育を行うためのコストの削減ができるメリットがあります。また、アウトソーシングの利用によって現在情シスで仕事をしている従業員の負担軽減につながる、といったメリットも得られます。
企業によっては、情シス部門が一人しかいないといったケースもあります。そのような企業においては、業務が属人化してしまい、担当の従業員が急遽休みをとった場合などは会社全体の業務に大きな影響を与える可能性も考えられます。
アウトソーシングサービスを利用すると、業務の属人化を防げる点もメリットのひとつといえます。
アウトソーシング会社を安さだけ選ぶのは要注意
情報システム部門では社内の重要な機密情報を取り扱うため、アウトソーシング会社を選ぶ際には安易に「安さ」だけで決めてはいけません。まずは、情報の取り扱いがしっかり行われていることを大前提にすることが必要です。
知らないと損をする重要なポイントを押さえつつ、おすすめできるアウトソーシング会社をご紹介します。これにより、リスクを下げた情シスアウトソーシングの選択ができるようになります。
ネットワーク管理・改善のアウトソース導入事例
管理者一人で担当していた業務の負担を大幅に軽減
システム管理者一人で500名を超える社員の業務インフラを運用していた企業による事例です。こちらの企業では、ネットワークやデータセンターの管理、現場からの問い合わせへの対応、外部のベンダーとの調整、セキュリティ対策といったようにシステム管理者が担当する業務も幅広く、負荷も大きくなっていました。
そこで、自動化とスペシャリストの支援が受けられるといった点から中堅・中小企業向けのシステム管理・運用サービスを導入。一人では手が回っていなかったシステム稼働状況・セキュリティ状態の確認の自動化が行えたことに加え、障害時にもサポートが受けられるようになったことで、スピーディーな対応が可能になりました。
サービス導入により担当者がコア業務に集中できる環境に
M2M・IoTソリューションを提供する企業による、リモート運用監視・保守サービスの導入事例です。こちらの企業では、運用ルールの変更などに柔軟に対応可能な監視サービスの導入が必要となったことから、柔軟な対応とコスト最適化が可能なリモート運用監視・保守サービスを選定して導入を行っています。
サービスの導入により、アラート確認に関する業務負担が軽減されたため、サービスの改善などのコア業務に注力できるようになったという成果が得られました。
ネットワーク管理・改善のアウトソースサービスを紹介
こちらでは、ネットワーク管理・改善に関するアウトソースサービスをご紹介していきます。2021年6月28日時点で「情シスアウトソーシング」と検索し、プライバシーマークやISO27001のいずれかを取得している企業を3つ選出していますので、サービス選定の参考にしてみてください。
クロス・ヘッド株式会社:情シスSAMURAI
情シス部門の幅広い業務をアウトソースできる
クロス・ヘッドが提供するサービス「情シスSAMURAI」では、情シス業務のアウトソースに対応しており、システム運用やヘルプデスクの運用業務など幅広い業務のアウトソースが可能です。
また、情報シスコンサルティングサービスも提供しており、業務改善や標準化にも取り組めます。社内からの改善要望が多いネットワーク環境改善や、クラウド化の支援などをはじめとするIT環境の改善に関するサポートも行っています。
クロス・ヘッドの会社情報
対応エリア | 公式サイトに記載なし |
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営業時間 | 公式サイトに記載なし |
電話番号 | 03-4405-7911(代表) |
公式HP URL | https://www.crosshead.co.jp |
リップル株式会社:Total IT Helper
幅広い対応力により情シスが抱える課題に取り組む
リップル株式会社が提供する「Total IT Helper」は、企業における情シスの業務サポートや運営を行うサービスです。
実際に課題となっている内容のサポートはもちろん、ネットワークの構築やヘルプデスクなどさまざまな実務に対応が可能である点が特徴です。これまでに数多くの問い合わせ対応を行ってきた中で培ったノウハウをグループ企業間で共有していることによる幅広い対応力が魅力となっています。また、遠方のお客様でも訪問対応が可能な点も特徴です。
リップル株式会社の会社情報
対応エリア | 地方都市まで広範囲で訪問対応可能 |
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営業時間 | 公式サイトに記載なし |
電話番号 | 0120-890-880 |
公式HP URL | https://ithelper.ripple-call.co.jp |
アイチーム株式会社:情シスソリューションサービス
情シス部門が抱える課題の解決を支援
アイチーム株式会社では、情シスが抱えているさまざまな課題解決を行う「情シスソリューションサービス」を提供しています。こちらのサービスでは、クライアント先に入り情シス業務の全般をサポートします。
さらに、業務課題を分析した上でクライアントに合ったIT環境を提案するDX推進サービスや、クライアント側のプロジェクトマネジメントを支援するサービスなど多彩なサービスを用意することにより、情シス部門の負担軽減に取り組んでいきます。
アイチーム株式会社の会社情報
対応エリア | 公式サイトに記載なし |
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営業時間 | 公式サイトに記載なし |
電話番号 | 06-6537-9350 |
公式HP URL | https://i-team.co.jp |
おすすめのアウトソーシング会社3選
情報セキュリティに関する第三者認定を取得している点に注目し、その上で他にも特徴的なサービスを提供しているアウトソーシング会社を選定し、おすすめしています。
「情シスアウトソーシング」とGoogle検索し、ヒットした上位50ページのサイトのうち、公式サイトが表示された会社28社を調査。そこから、オンサイト対応している、公式サイトに事例を掲載している、プライバシーマークもしくはISO27001を取得している会社からそれぞれ選定して紹介しています。(2024年4月15日調査時点)
情シス業務を引き継げる
本社所在地・対応範囲
所在地 | 東京都港区港南1丁目2番70号 品川シーズンテラス24F |
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対応 エリア |
日本全国 |
スク
を立ち上げられる
本社所在地・対応範囲
所在地 | 熊本県熊本市中央区辛島町3-20 NBF熊本ビル3階 |
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対応 エリア |
応相談 |
資産管理まで依頼できる
本社所在地・対応範囲
所在地 | 東京都千代田区大手町一丁目9番2号 大手町フィナンシャルシティ グランキューブ19F |
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対応 エリア |
記載がありませんでした |