システム保守とは
IT業務において運用・保守はひとくくりにされがちですが、実は仕事内容としては異なります。システム運用は「日々システムが正常に動作しているかを監視する」ことを意味し、システム保守は「システムの一部に修正や変更を加えたり機能改善をしたりする」ということを意味します。ここではそのうちシステム保守に関して紹介・解説していきます。
システム保守の業務内容
Webサービスや基幹システム運用では、グローバス化が進んだことで、24時間365日の稼働を求められています。これに伴い、システム保守も24時間365日の対応が必須となっています。一口にシステム保守を言っても、どのような保守作業があるのでしょうか。そこでここでは、システム保守の作業について簡単にまとめています。
バグやトラブルへの対応
情報システムは、常に100%安定的に稼働をしてくれるというわけではありません。システム障害やバグの発生による、システムダウンなどのトラブルを避けることはできません。万が一トラブルが発生し、システムがダウンしてしまうと、提供しているサービスやシステムを使った業務が停止することで、機会損失が発生します。そうならないように万が一を想定し、バグやトラブルに備えて迅速に対応可能な保守体制が必要になります。
サーバー・端末等ハードウェアのリプレース
システム保守には、システム上で発生するバグの改修などトラブル以外だけでなく、サーバーや端末などハードウェア保守も必要になります。また、サーバーや業務端末などハードウェアのリプレース時の対応も不可欠です。ハードウェアの保守やリプレースは自社だけで行うことは難しく、ハードウェア保守契約や業務委託が必要です。さらに、業務委託の範囲についても明確化しておかないと、障害発生時の作業切り分けが難しく、長時間のわたりシステムをダウンさせてしまいます。
システムの改修
システム保守には、システム障害やハードウェア障害への対応のほかに、サービスや業務改善に伴ったシステムの改修や、安定的に快適なシステム環境を保持するための修正は必要です。システムの改修や修正による問題点の洗い出しや、テストなども、システムを安定稼働するために必要システム保守において必要不可欠な保守と言えます。
データベースのチューニング(基幹システムの調整など)
サーバーの機能を最大限に利用し、日々のサービスやシステムを快適に稼働させるために、データベースシステムが使用しているメモリ使用量を最適化し、ディスクI/Oを減らすことを目的にした保守作業をデータベースチューニングといいます。また、システム構成や運用内容に応じて、セットアップ時の初期設定の実施も行います。
バッチ処理
企業や組織が大量のデータを効率よく管理するために、ハッチ処理は重要な役割を果たしています。特に、基幹システムや、会計システムなどでは、頻繁に発生する繰り返しの多いタスクの処理に適しています。さらにバッチ処理を行うことで、リアルタイムの必要性がある業務を優先して行い、夜間や、オフライン(データのバックアップ処理や、請求データの作成など)で行うことで業務の効率化が図れるなどのメリットがあります。こういったバッチ処理を行うこともシステム保守の一つです。
セキュリティトラブルへの対応
ITや情報の業務を行ううえにおいて重要な点としてはやはりセキュリティが挙げられます。システム保守においてはセキュリティ上のトラブルが発生した場合の対応も非常に重要であり、サイバー攻撃や不正アクセス・プライバシー情報の盗難・システムに悪影響を及ぼすコンピューターウイルスの存在など注意しなければいけない点が多く存在します。
復旧作業
システムが正常に稼働する状態でない場合、必要な業務が滞ってしまうリスクが高くなります。そのため何らかのイレギュラーやトラブルが発生した場合、バックアップも含めた復旧作業が非常に重要です。システムが停止している時間は短ければ短いほど影響は少なくて済みますから、迅速かつ正確な対応が求められます。
情報システムをアウトソーシングしてシステム保守費用を大幅削減
システム保守のコスト削減の方法として「クラウド化」や、「仮想サーバー化」の2つの方法を紹介してきました。これらの方法で、システム保守を業務委託すると、システムの範囲や規模により異なりますが、月額の保守料が10万円前後で提供しているサービス業者もあります。これからシステム保守の業務委託を計画中の情報システム担当者へ、既存の自社システム規模や業況に合わせ、複数の業者を比較検討することをおすすめします。
アウトソーシング会社を安さだけ選ぶのは要注意
情報システム部門では社内の重要な機密情報を取り扱うため、アウトソーシング会社を選ぶ際には安易に「安さ」だけで決めてはいけません。まずは、情報の取り扱いがしっかり行われていることを大前提にすることが必要です。
知らないと損をする重要なポイントを押さえつつ、おすすめできるアウトソーシング会社をご紹介します。これにより、リスクを下げた情シスアウトソーシングの選択ができるようになります。
システム保守を業務委託するメリットデメリットを徹底比較
情シスにおける重要業務であるシステム保守には多大なコストがかかります。ここではこれらの業務を外部に委託した場合のメリットやデメリットについて解説しますので、アウトソーシングをしようかお悩みの方は参考にして下さい。
システム保守を業務委託した場合のメリット
リソース不足を補える
外注する最大のメリットはやはり社内のリソース不足を補える点です。人材を採用して育成して、という流れを考えると戦力になるまで時間がかかりますが、外注する場合にはノウハウやリソースを持っている企業に依頼することになりますので、スムーズに対応することが可能です。
高い品質が期待できる
委託先は基本的に専門的な知識やノウハウを有していますので、高品質な作業・対応を期待することができるでしょう。これは作業などの内容はもちろんですが、緊急時の対応までのスピード感も含めてのメリットになります。
システム保守を業務委託した場合のデメリット
社内にノウハウ・リソースが残らない
通常、自社のスタッフが業務を行うことで日々経験とともにスキルやノウハウが蓄積されます。しかし外注をしてしまうと自社のスタッフが経験を積む機会がなくなりますので、リソースそのものはもちろんノウハウも社内に残りません。
ブラックボックス的な対応になる可能性がある
完全に外注に依存してしまうと、結果の報告を受ける状態に留まってしまい「何をどのように保守しているのか」という過程の部分が全く見えなくなってしまう恐れがあります。こういった場合、契約時に報告内容をしっかり取り決めておくなどといった事前の準備が必要です。
システム保守の業務委託を検討するポイント
監視体制
委託先の監視体制がどのようになっているかは、安心して任せられるかどうかを大きく左右するので把握したうえで検討するようにしましょう。確認が不十分な場合、体制が整っていないことによるトラブルの発生リスクが高くなります。
技術者のレベル
委託する場合には当然ながらプロフェッショナルとしての仕事を期待することになりますので、どのような技術者が対応するのかも確認しておきましょう。経験年数や実績などを確認しておくことをおすすめします。
費用は適正か
結果として自社で人材を確保した方が安上がりだった、ということになっては本末転倒ですので、相場を調べたり相見積もりを取るなどして委託するにあたって発生する費用が適正かどうかも見極めるようにしましょう。
システム保守業務委託した場合の費用相場とは
費用が適正化を見極めるために「相場を調べる」「相見積もりを取る」という事が重要と説明しましたが、このうち費用相場の水準について紹介します。一般的に保守運用の費用目安はシステム開発費用の5%~15%程度と言われており、金額にすると月額5万円~20万円程度です。しかしサービス委託の保守運用の場合、そこから更に月額20万円~50万円程度の費用がかかる可能性があります。他にもECサイトの運営委託を行う場合には売上や利益の何%という契約を結ぶケースもあります。
システム保守の業務委託サービスを紹介
ここではシステム保守を委託できるアウトソーシングサービスについて、特徴や事例などを紹介します。対象となるサービスは2021年6月28日時点において「情シスアウトソーシング」で検索を行い、プライバシーマークやISO27001のいずれかを取得している企業を3社選出しました。
クロス・ヘッド:CIICプロダクト保守
ワンストップでの対応
クロス・ヘッドのシステム保守サービスはハードウェア障害アラートの検知や障害の切り替え、オンサイト機器交換までをワンストップで対応するという強みがあります。ハードウェアの障害発生時には最短2時間でのスピード訪問により作業員が現地対応し、さまざまなベンダー製品への対応が可能です。トラブル発生時にクライアントが求める早急な現地対応を実現できるようサービス提供を行われています。
クロス・ヘッドの導入事例
クロス・ヘッドの公式HPには保守関連の導入事例が記載されていませんでしたので、ここではAWSの導入事例を紹介します。クライアントが抱えていた課題としてはデータセンターの解約が迫る中、ファイルサーバーを含むシステムのクラウド移行やファイルデータの移行を完了させる必要がある、という時間との勝負でした。クロス・ヘッドには別システムの移行で対応してもらった経験があったため、当時の対応が丁寧だったことから依頼をしています。他業者も検討されましたが、品質と技術力の両面からクロス・ヘッドが選定されました。結果としてデータ移行もスムーズに行うことができ、組織の統合後に遅れていたクラウドを中心とした環境実現のための一歩目を踏み出すことができました。
参照:クロス・ヘッド導入事例(https://www.crosshead.co.jp/case/AWS/sbibi/)
クロス・ヘッドの会社情報
対応エリア | 日本全国 |
営業時間 | 記載なし |
電話番号 | 03-4405-7911 |
公式HPURL | https://www.crosshead.co.jp/ |
リップル株式会社:Total IT Helper
豊富な実績と高い顧客満足度
Total IT Helperの情シス代行サービスは、豊富な年間対応件数を誇るとともに高い顧客満足度を維持し続けています。さらに圧倒的な安価での利用が可能なサービス提供を行っている事から、クライアントのほとんどがコストダウンを実現しています。高いITスキルを持つスタッフによりさまざまなサポートやコンサルティングサービスを提供しており、情シス部門の不可とコストを軽減させ、アウトソーシングを成功に導いてくれます。
リップル株式会社の導入事例
リップルのサービスを利用された事例では、「情シス代行とはどんなものか?」という怪しんだ印象からのスタートもあったようですが、他社のソフトやシステムに関するあらゆる質問への対応を受けて高い信頼を得ています。中には情シス部門がない、もしくは一人情シス状態にあるような企業に対しても迅速なサービス提供を行うなどして高い信頼を獲得しており、まじめかつ一生懸命な対応で高い価値提供を実現しています。場合によってはプロバイダーなどの外部業者とのコンタクトも取って対応するなど、問題解決に向けた丁寧な対応が高い顧客満足度に繋がっています。
参照:リップル株式会社導入事例(https://ithelper.ripple-call.co.jp/case)
リップル株式会社の会社情報
対応エリア | 記載なし |
営業時間 | 平日9:00~18:00(緊急対応可能) |
電話番号 | 0120-890-880 |
公式HPURL | https://ithelper.ripple-call.co.jp/ |
アイチーム株式会社:I team
トータルサポートを提供
アイチームの提供する保守対応サービスは、柔軟で機動的な対応が魅力の一つとなっています。「ラボ型保守契約」としてサービス提供を行っていますが、クライアントの専属保守チームをアイチーム内に構成し、一定期間の契約により合意したボリュームの作業工数を確保する保守形態となっています。クライアント社内に研究室を設けるようなイメージでサービスを提供しており、クライアントのニーズに合致した保守作業を継続して行える環境を整備しています。
アイチーム株式会社の導入事例
インターネット・カタログ通信販売を行っている事業者の事例では、運用中のアプリ機能をユーザーのニーズに合わせてアップデートしたいと考えていた者の、いつも通りに要件定義をして開発するとリリースまでに時間がかかってしまうという金井を抱えていました。技術は日進月歩する中、業務フローを今まで通りで対応していてはスピード感が追い付かないことからアイチームに業務を依頼し、クライアント専用のラボチームを組成して作業に従事しています。クライアント会社内にも常駐者を置き、別途リモートでエンジニアを配置するなどして工数の増減を抑えることに成功しています。このように保守サービスにおいてもラボチームを組成することで効率よく高品質なサービス提供が可能になります。
参照:アイチーム株式会社導入事例(https://i-team.co.jp/case/detail/outsourcing/labo/challenging-app-development)
アイチーム株式会社の会社情報
対応エリア | 記載なし |
営業時間 | 記載なし |
電話番号 | 06-6537-9350 |
公式HPURL | https://ithelper.ripple-call.co.jp/case |
おすすめのアウトソーシング会社3選
情報セキュリティに関する第三者認定を取得している点に注目し、その上で他にも特徴的なサービスを提供しているアウトソーシング会社を選定し、おすすめしています。
「情シスアウトソーシング」とGoogle検索し、ヒットした上位50ページのサイトのうち、公式サイトが表示された会社28社を調査。そこから、オンサイト対応している、公式サイトに事例を掲載している、プライバシーマークもしくはISO27001を取得している会社からそれぞれ選定して紹介しています。(2024年4月15日調査時点)
情シス業務を引き継げる
本社所在地・対応範囲
所在地 | 東京都港区港南1丁目2番70号 品川シーズンテラス24F |
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対応 エリア |
日本全国 |
スク
を立ち上げられる
本社所在地・対応範囲
所在地 | 熊本県熊本市中央区辛島町3-20 NBF熊本ビル3階 |
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対応 エリア |
応相談 |
資産管理まで依頼できる
本社所在地・対応範囲
所在地 | 東京都千代田区大手町一丁目9番2号 大手町フィナンシャルシティ グランキューブ19F |
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対応 エリア |
記載がありませんでした |