情シスが苦悩するRPA導入について
RPA(Robotic Process Automation)とは、作業プロセスをロボットで自動化して生産性を向上させることを言います。RPAでは、データ入力・集計や社内システムからのデータダウンロード、Webサイトからの情報収集、定型文でのメール作成・送信などが可能です。
RPAに積極的になれない情シスの事情
業務部門主導で知らぬ間に行われている
高度なプログラミング技術が不要で、業務担当者が容易に使えるのがRPAのメリット。ただ、それゆえに情報システムに頼らず業務部門主導でおこなうなど、目の届かない行動がみられがちです。RPAは段階的な導入が理想的ですが、他部署との連携を考慮しないで導入してしまうケースでは、いざ連携するとなった段階での作業が面倒です。
導入後のサポートやメンテナンスを求められる
RPAを導入することで、利用者からの問い合わせやトラブル時のサポートなどへの対応が情報システム部門の業務として発生します。各ユーザーに合わせたシステム構築ができることからも、その一つ一つに対応するのは大変。さらに、メンテナンスへの対応も求められるなど、本来の業務が圧迫される可能性も懸念されています。
ロボの開発要件が肥大化
情シス主導のRPAが進まない理由として、ロボの開発要件が肥大化しており、開発スピードが遅い点があげられます。RPAツールは段階的に導入を進めるのが一般的であり、初期導入においては、特定部署の特定業務のみRPAを適用し、社内システムとの連携を十分に考慮しないケースが少なくありません。
現場と情シスの関係
さらに現場と情シスの関係が良くない状況も、情シス主導のRPAが進まない原因の一つと言えます。RPAツールは業務の効率化を望む業務部門にとっては非常に意義のある存在といえます。他方情シスは、既存のシステムの管理だけで手一杯であり、自分たちの運用保守の範囲が広がるためRPAツールに対し消極的な反応になることがあるのです。
一人情シスの状況
スタートアップ企業や零細企業の中には、今だに一人情シスの状態から改善できていないところもまだまだあります。一人情シスはとにかく時間がなく現状を維持することで手一杯であり、情シス主導のRPAの推進は現実的でないと言えるでしょう。
情シスはRPAに関わるべき
RPAの導入には情シス部門の協力が不可欠であり、非協力的な立場ではRPAの導入がスムーズに進まなくなってしまいます。最悪、頓挫してしまうことも。RPAを導入する事で情シス部門の仕事が増えるなどデメリットが注目されていますが、メリットも多くあります。
RPAを導入する事で業務の流れが可視化され、ルールも作成しやすくなりますので、ITリテラシーの向上が期待できるようになります。また、情シス部門と業務部門とのコミュケーションも取りやすくなり、裏方イメージの強い業シス部門の認知度が向上。システム構築に頼りになる欠かせない存在として重宝されるようになるでしょう。
そして、RPAの導入後も情シス部門がまとめ役として積極的に関わることで、全体の生産性向上が期待できると、情シスの存在感は強固なもとなります。
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