アプリケーションの運用・保守のアウトソースとは
アプリケーションの運用・保守は、スマホアプリのような消費者にインストールしてもらった商品の保守・運用と、社用PCで使用するような業務用ソフトウェアの保守・運用の2種類に分類できます。
このページでは情シスの担当業務のひとつである「業務用ソフトウェア・システムの保守・運用」について、作業内容や委託するメリット・デメリットなどの基本的な情報のほか、アプリケーション運用・保守の外部委託サービスまでを解説しています。
アプリケーションの運用・保守の作業内容
SaaSなどの脆弱性をチェック
アプリケーションやOSの脆弱性を狙った悪質な人間もいます。そのため、定期的な脆弱性診断を行い、外部からの攻撃に耐えられるシステムとなっているのか、耐えられないのであれば脆弱性パッチを更新する業務を行います。
利用可能アプリケーションの管理
利用可能なアプリケーションの管理も作業のひとつです。アプリケーションが正常に動くのか、アクシデントはないのかといった個別の管理だけではなく、どれだけのアプリケーションをインストールしているのかなどの管理も業務に含まれます。
インストール済みアプリのアップデート
インストールされているアプリにアップデートが発表された際には、そのアップデート作業を対応。アップデートそのものは決して難しいものではありませんが、数が多い場合は適切な管理が求められます。
アプリケーションの運用・保守をアウトソーシングするメリット
専門的な技術力とノウハウの活用
豊富な運用経験を持つ専門チームが対応するため、最新技術やベストプラクティスを活用した運用・保守が可能となります。例えば、迅速な障害切り分けやチューニングの知見、セキュリティパッチの適用手順など、自社では習得に時間がかかるノウハウをすぐに利用できます。また、複数の業界事例をもとにした最適化提案や、急速に変化するクラウドサービスへの対応も期待できます。
24時間365日の監視体制
夜間や休日を含む継続的なシステム監視や障害対応を外部に任せることで、システムダウンタイムのリスクを低減できます。SLA(サービスレベル合意)に基づいたアラート通知や定期的なヘルスチェックを受けられるため、異常発生時にも迅速な初動が可能です。さらに、トラフィックの増減に応じたリソース自動拡張やリリース後の不具合検知など、24時間体制ならではの安心感があります。
アプリケーションの運用・保守をアウトソーシングするデメリット
ナレッジ共有の遅延
日々の運用から得られるログ解析や障害対応の知見が社内に蓄積されにくくなり、技術的判断が遅れる恐れがあります。特に、運用ベンダーのドキュメントが整理されていない場合、自社で迅速に情報を参照できず、トラブルシューティング時に時間を要することがあります。
コミュニケーションコストの増加
要件定義や障害報告の際に、情報伝達に時間を要する場合があり、内製と比べ初動対応が遅れる可能性があります。スコープ調整や優先度のすり合わせにおいて細かなやり取りが必要となり、ミーティングや確認作業が増えることもあります。場合によっては、言語や文化の違いによる認識齟齬も発生します。
アプリケーションの運用・保守のアウトソースをアウトソーシングした企業の例
段階移行で運用負荷を削減
富士フイルムホールディングスでは、国内外に散在するサーバー基盤と業務アプリの保守に膨大な工数が掛かり、問い合わせ窓口も技術領域ごとに分散していた。さらにITIL準拠のサービスマネジメント強化を進めたい考えから、2016年にユニアデックスへITインフラ領域を段階的に外部委託する方針を決定。
契約締結後は半年ごとに主要業務を移管するプロセスを採用し、RFP段階で六つの変革ポイントを定義。利用部門への影響を抑えつつ国内の問い合わせ窓口を一本化し、夜間を含む受付時間拡大と応対品質の統一を実現した。
結果として障害初動の迅速化と運用コスト最適化を両立し、情シスはAI・ビッグデータ活用など攻めのIT企画にリソースを再配分。守りと攻めを両立したIT運用体制が確立された。
162システムを一括管理へ
食酢や納豆で知られるミツカングループでは、162本もの業務アプリが複数ベンダーで開発され、保守体制もバラバラだった。人的リソース不足が慢性化する中、2018年に新日鉄住金ソリューションズ(NSSOL)へアプリ/インフラ保守を一括アウトソース。
NSSOLは3か月で定型・非定型業務の移管を完了し、他社が構築したシステムの保守までもベンダー管理を一本化。運用手順書の標準化とドキュメント整備を進め、情報システム部門が担っていた業務を約20%削減した。
創出した余力はDX推進や業務改革の企画へ投下され、ユーザーアンケートでは8割近くがサービス品質を高く評価。安定運用と攻めのIT戦略を両立させる体制が整った。
24時間365日監視体制を実現
地方銀行の山梨中央銀行では、DX推進に伴い情報系システムの重要度が高まる一方、24時間365日の監視体制を自前で維持するコストが課題となっていた。同行はNSWの運用監視サービス「情シスDX ASSIST+」を採用し、勘定系・情報系システムを共同監視へ移行。
共有プール型サービスの活用により、専任要員配置より2~3割のコスト削減と安定稼働を両立。運用プロセスの見直しと情報一元管理で障害対応フローも効率化され、行内システム統括部は地域向けITコンサルなどコア業務に注力する時間を確保できた。
銀行システム特有の高い可用性要求を満たしつつ、コスト・品質・人材活用のバランスを最適化した点が評価されている。
アウトソーシング会社を安さだけ選ぶのは要注意
情報システム部門では社内の重要な機密情報を取り扱うため、アウトソーシング会社を選ぶ際には安易に「安さ」だけで決めてはいけません。まずは、情報の取り扱いがしっかり行われていることを大前提にすることが必要です。
知らないと損をする重要なポイントを押さえつつ、おすすめできるアウトソーシング会社をご紹介します。これにより、リスクを下げた情シスアウトソーシングの選択ができるようになります。
アプリケーションの運用・保守の外部委託サービスを紹介
アプリケーションの運用・捕手を行っている企業について、2021年6月28日時点で「情シスアウトソーシング」と検索し、プライバシーマークやISO27001のいずれかを取得している企業を3つ選出してご紹介します。
クロス・ヘッド
1992年創業
クロス・ヘッドは1992年創業の企業です。1992年といえばまだまだインターネットが一般層に普及する前です。その時代から運用・保守のサービスを提供していました。もちろん歴史にあぐらをかいているのではなく、時代に合わせたサービスを提供しています。例えばお悩み相談はオンラインで可能。アセスメントからテクニカルサポート、ヘルプデスク、IT資産管理・改善からシステム運用、セキュリティなど幅広いサポートを提供しています。
クロス・ヘッドの導入事例
カフェ・レストランを経営しているとある会社では、会社にてプロデュースするものが増加し、売上も増えていった一方で、バックオフィス業務に不安を感じていたとのこと。IT人材がなかなか採用できなかったことで3年後・5年後を見据えた情シス業務改善ノウハウを持つ会社を探すことに。そこで単純な業務支援だけではなく、スキルアップにつながる研修サービスを提供しているクロス・ヘッドに依頼。対応漏れやミスがなくなった点やITスキルの足りていない点がどこなのかを把握できたことで、今後会社として何を行うべきなのかが見えるようになったとのこと。これらを継続して行うことで、会社としての課題を解決できると考えているようです。
参照元:クロス・ヘッド公式サイト(https://www.crosshead.co.jp/case/networkserver/transit/)
クロス・ヘッドの会社情報
対応エリア | 公式サイトに記載なし |
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営業時間 | 公式サイトに記載なし |
電話番号 | 公式サイトに記載なし |
公式HP URL | https://www.crosshead.co.jp/ |
Total IT Helper
2つのプランを用意
Total IT Helperではヘルプデスクに特化し、発生から30分以内の迅速な解決を目標にしたオンラインヘルプデスクと、IT活用アドバイス、ネットワーク構築、サーバー運用、キッティング等、情シス部門の業務全般を依頼できる情シス代行サービスの2つのプランが用意されています。見積から契約までの5~9日間でのサービス開始が可能で、問い合わせから1週間以内にヒアリングを行うなど、スピード感のある展開が強みです。
Total IT Helperの導入事例
とある介護の法人事業者では、情報システムがなかったとのこと。そのため、本来の業務を行いながらスタッフが合間を縫って情シス業務を行っていたとのことで、大きな負担となっていたとのこと。そこでTotal IT Helperを見つけると、すぐに申し込みをしたとのこと。すると、困っていた問題に対して真面目・一生懸命に取り組んでもらえたことでインターネット接続に関する難しい問題も解決できたとのこと。1つ1つのプロバイダーにまでコンタクトを取るなど、積極的な姿勢で問題解決に取り組んでくれたことがありがったとのこと。また、実際に時間を取って訪問してくれるなど、緻密で根気強く対応してくれたことに感謝しているとのことです。
参照元:Total IT Helper 公式サイト(https://ithelper.ripple-call.co.jp/case)
対応エリア | 全国 |
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営業時間 | 平日9:00~18:00 |
電話番号 | 096-311-7722 |
公式HP URL | https://www.ripple-call.co.jp/ |
I team
質の高いスタッフが在籍
課題の把握がままならない企業に対し、3年間のロードマップを作成し、取り組むべき課題を明確にする点から始めます。経営戦略との整合性を踏まえての提案に定評があるだけではなく、アウトソーシングサービスにも対応。運用保守やアプリケーション構築、企業のサポートやシステムベンダーのコントロール、プロジェクト進行のサポートなど、サービスは豊富に用意されています。これらはITスキルの高いスタッフを多数抱えているからこそ実現可能です。
I teamの導入事例
とある請負業務サービス会社では、契約社員・委託会社従業員など人の出入りが多く、アカウントの登録・削除が追い付いていない状態で、かつ組織変更やプロジェクト単位でのアクセス権限設定が多く、設定漏れが頻繁に発生する状況にこまっていたとのこと。そこでI teamに依頼。アカウント登録の自動化やアクセス権限設定の業務移管やプロジェクトによる運用改善を行うことで、効率化を実現。結果、情シス部門にてアカウントのアクセス権限登録・削除業務が削減されたとのこと。現行の業務をアウトソーシングで受けるのではなく、サーバリプレイスのタイミングに合わせての現行業務の課題解決のための方針を検討することで、表面上ではない、根本的な解決を実現します。
参照元:I team 公式サイト(https://i-team.co.jp/case/detail/information/planning/アカウント・アクセス権設定業務のアウトソーシ)
対応エリア | 公式サイトに記載なし |
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営業時間 | 公式サイトに記載なし |
電話番号 | 06-6537-9350 |
公式HP URL | https://i-team.co.jp/ |
おすすめのアウトソーシング会社3選
情報セキュリティに関する第三者認定を取得している点に注目し、その上で他にも特徴的なサービスを提供しているアウトソーシング会社を選定し、おすすめしています。
「情シスアウトソーシング」とGoogle検索し、ヒットした上位50ページのサイトのうち、公式サイトが表示された会社28社を調査。そこから、オンサイト対応している、公式サイトに事例を掲載している、プライバシーマークもしくはISO27001を取得している会社からそれぞれ選定して紹介しています。(2024年4月15日調査時点)
情シス業務を引き継げる
本社所在地・対応範囲
所在地 | 東京都港区港南1丁目2番70号 品川シーズンテラス24F |
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対応 エリア |
日本全国 |
スク
を立ち上げられる
本社所在地・対応範囲
所在地 | 熊本県熊本市中央区辛島町3-20 NBF熊本ビル3階 |
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対応 エリア |
応相談 |
資産管理まで依頼できる
本社所在地・対応範囲
所在地 | 東京都千代田区大手町一丁目9番2号 大手町フィナンシャルシティ グランキューブ19F |
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対応 エリア |
記載がありませんでした |