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システム運用設計

情報システムを常に安定稼働させることは、エンドユーザーにとって不可欠です。情報システムを安定稼働させるには、障害発生といった不測の事態への対応や、日常の運用業務をスムーズに進めるためにルールやプロセス、体制を前もって定義する「運用設計」が、非常に重要になります。具体的な業務内容も含め、システム運用設計について解説しましょう。

運用設計の業務内容

システム運用設計の具体的な業務内容を解説します。業務内容は大きく分けて「業務の運用設計」、「基盤の運用設計」、「運用管理の設計」の3種類です。

業務の運用設計

業務の運用設計とは、システムのユーザーおよびシステム管理・運用者が円滑に業務を行えるような設計を指します。

業務で使うアプリやソフトの起動や終了の方法を定義したり、それらが正しく動作しているか監視する方法を定義したりするのがその1例です。

また、アプリやソフトが異常終了した場合の対処方法やヘルプデスクの運用方法、パソコンなどの端末の更新やメンテナンス方法の定義も業務をスムーズに行うために重要な設計といえます。

基盤の運用設計

基盤の運用設計とは、業務で利用するシステムを安定して運用するための設計です。

代表的なものとしてはOSやアプリ、ソフトに対するアップデートやパッチの適用方法や適用フローを定めるというものが挙げられます。

また、バックアップデータの作成や管理、リストアやリカバリを行う手順やそのルール、社員に付与するアカウントの管理および運用方法、システム監視やログ管理方法の決定もこの業務に分類されます。

運用管理の設計

運用管理の設計とは、システム運用に対するルールを設計するものです。

たとえばシステム状態の収集、異常検出の基準、運用の定期レポート作成およびそのレビューといったものが設計の内容となっています。

アウトソーシング会社を安さだけ選ぶのは要注意

情報システム部門では社内の重要な機密情報を取り扱うため、アウトソーシング会社を選ぶ際には安易に「安さ」だけで決めてはいけません。まずは、情報の取り扱いがしっかり行われていることを大前提にすることが必要です。

知らないと損をする重要なポイントを押さえつつ、おすすめできるアウトソーシング会社をご紹介します。これにより、リスクを下げた情シスアウトソーシングの選択ができるようになります。

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システムの運用設計の流れと項目

システムの運用設計を行う際に推奨される流れとそれぞれで決めるべき項目を解説します。

運用体制の整理

まずは運用するシステムと人員を整理しましょう。

管理すべきシステムについて、システム本体だけでなくファイルサーバーの有無、バックアップデータやログファイルがどこの保存されているかなどをしっかりと整理して把握するようにしてください。

次にシステムの各構成要素に対し、必要な業務を整理します。整理できたら運用方法を確定しましょう。

また、運用を行う人員の割り当てや責任者の任命も重要な項目の1つです。誰が何をするのかを明確にすることで責任感を持ってこの後の運用設計に臨むことができます。

監視仕様・障害対応手順などマニュアル作成

整理が終わったら運用方法をマニュアル化します。

システム運用が属人化するとその人がいなくなったときに誰もシステムを運用できなくなるため、マニュアル化して誰でもできるようにしておかなくてはなりません。

たとえばバックアップなら方式や対象データ、容量、スケジュール、保存場所など、システム監視であれば監視対象や方法、ログの確認方法などを明文化するようにしてください。

マニュアル化した内容は作成したら終わりではなく、責任者やほかのメンバーを含めたレビューが必要です。運用内容が十分かだけでなく、現実的に運用可能かどうかも確認しましょう。

定常作業の定義

定常作業とは、障害などの問題が発生していないときに日々行うべき作業のことです。

たとえば機器の更新などの定期メンテナンス、アップデートやパッチの適用、バックアップ、ログの管理と確認といった業務が挙げられます。

定常作業として定義せずに「気づいた人がやる」という状態になっているといつの間にか忘れ去れるかもしれません。どのタイミングで誰がどの作業を行うのかを明確に定義し、漏れがないようにしてください。

災害対応

災害対応とは、災害が起こったとしても業務を継続できる、あるいは災害発生後にすぐにシステムを復旧できるようにしておくことを指します。

日本は地震や台風、大雨などの災害が発生しやすく、事業継続計画(BCP)の観点でも災害対応を考慮したシステム運用設計が重要です。

具体的には停電が起こった時に備えて無停電電源装置の状態を定期的に確認する、遠隔地に保管したバックアップを確認する、IT機器が使えない場合に手作業で行う作業を定義するなどが挙げられます。

また、災害が起こったときにシステムの観点で確認すべき項目と、復旧の進捗状況を管理する仕組みも定めておくとよいでしょう。

JOB管理設計

JOB管理とは、複数のサーバーやネットワーク機器で構成されているシステム上で動作するジョブを管理するためのものです。

たとえば特定の機器に負荷が集中したり動作していないジョブが発生したりしないために行います。

1度割り当てたら終了ではなく、ログを定期的にチェックしてよりスムーズにシステムが動作するようジョブ割り当ての見直しが必要です。

また、故障が発生したりメンテナンスしたりしなくてはならない機器が発生した場合に、その機器が担当していたジョブをほかの機器に割り当ててシステムの動作が滞らないようにしなくてはなりません。

さらに、トラブル発生時に各ジョブをどのように運用するかを決めておくとスムーズに復旧できます。

開発設計との違い

開発設計とは、システムの機能や仕組み、提供可能なサービスなどを具体化した内容を設計することです。一方、運用設計とは、システムの利用者、利用時期、利用場所、利用目的を考慮し、それに合わせて安定的にサービスを提供する設計のことです。つまり運用設計は、障害発生時の対応やライセンスおよびアカウントの管理、定期メンテナンスなど「システムを常に安心し利用できる状態」を設計しています。

開発設計時に運用設計も行おう

開発設計時には定常状態を想定し、理想的なシステムやサービスを思い描きがちです。しかしながら、現実には理想通り運用できなかったり、運用に大きな工数が必要だったりします。

このため、開発設計時に運用設計をあわせて行うのがおすすめです。

また、運用設計には開発設計の詳細や資料が必要であることから、同時に行うことでそれらを探す手間が省けるかもしれません。

運用設計のポイントを把握しシステム保守委託会社を比較検討

システムの安定稼働を支えるために、システム障害といった不測の事態への対応など、日常の運用業務をスムーズに進めるためのルールや仕組みや体制について紹介してきました。システム運用保守を外部に業務委託する際には、複数の委託会社のサービス内容を比較検討し、自社のシステムを安定稼働させるために必要な条件を満たしている業者を選ぶことが重要です。

   

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