SLAとは?作成のメリットと作成方法について
SLA(Service Level Agreement)とは、サービスの提供業者と利用者の間で結ばれる、サービスの定義や範囲、内容、達成目標などに関する合意サービス水準、サービスの品質保証のことです。これは、サービスを提供する事業者が契約者にたいして、どの程度までの品質保証できるかを明確に示すものです。
SLAで重要なこと
可用性(呼損率など)
可用性とは、情報システムが継続して稼働する能力のことです。可用性管理は、情報システムの稼働が停止することがないよう、可用性の目標値を満たすべく設計・実装・報告・改善されていることになります。システムを構成する機器や電源、インターネット回線等が冗長化されていることだけでなく、通信回路(設備)の容量不足によって、通信がつながらない割合を示す呼損率などを確認することも重要です。
性能のベンチマーク値
サービスレベルを評価するための項目は、双方に認識の相違が起こらないようにするために、可能な限り客観的で測定可能な稼働率(%)や時間、時間帯などの表現(定量的な数値、数式による測定等)を用います。
ツールやアプリの応答時間
ツールやアプリの応答時間が明確にすることで性能を評価します。アプリケーションのオンライン応答時間やバッチ処理時間から、対象業務の重大性を考慮しつつサービス内容/特性/品質に応じて個々に検討します。
稼働統計情報
蓄積したデータを再利用できることが情報システムの有効活用には不可欠です。必要な項目が、CSVなどの標準的なフォーマットで安全にダウンロードできることを確認する必要があります。 また、アプリケーションにおいては、入力されたデータの妥当性の検証が重要になる局面がある。正しくログがとられていて、検索・閲覧できるようになっているか確認することも重要なポイントになります。
その他(事前通知やヘルプデスクの対応速度など)
大半の企業にとっては、ISMS、プライバシーマーク等の公的認証が取得されていることはマスト事項になるのではないでしょうか。特に提供サービスがウェブアプリケーションである場合は、脆弱性が存在すると情報漏洩リスクにつながるため、定期的な検査の実施と結果の報告を求めることが重要とされています。
また、定期的な保守やバージョンアップ等のための保守停止に関する事前通知のタイミングや方法、提示された保守計画が自社の運用に影響がないか確認するのも大切なことです。
ヘルプデスクの設置や迅速なトラブル対応などの体制は、社内の対象業務の重大性及びサービス内容/特性/品質にマッチしていなければ、導入に踏み切ることができないかもしれません。確認項目は、一般/障害対応時の問合せ受付業務が実施されている時間帯や受付方法(電話/メール)、災害時・障害時の平均復旧時間、障害発生時の連絡プロセス等です。
また、社内規定とのアンマッチがないかも重要なポイントです。具体的には、特定のデータについて管理者は更新できるが一般ユーザは閲覧しかしてはいけない場合などです。
社内に対するSLA
例えば、社内システムの応答速度(パフォーマンス)の遅さは、情報システム部門であってもそんなに簡単に解決できることではありません。当初予定していたデータ量をはるかに超えて処理を行っていたのが営業部であったとしても、自分達では解決の糸口すら見つけられないかもしれません。
もともとサービスの提供業者と利用者の間で結ばれるSLAは、社内での行き違いが起きないようにするために、部門間のやり取りに適用することもできます。
社内SLAを結ぶことで、使用する言葉の定義、共通の目的、役割分担などを明確に言語化できるため、お互いに理解しあえて仕事がスムーズに進むことが期待できます。
また、システム構築時に想定した業務(サービス)の規模や範囲などが明確化されていれば、それに見合った仕様(サービスレベル)が設定できます。一定期間が経過した後であっても、利用する側は業務(サービス)変更や規模拡大等の際にも自分達でSLAを参考にして必要な対応をとることができます。情報システム側も理不尽に非難の目を向けられる機会を減らすことができるかもしれません。
そんな社内SLAの導入を、あなたの会社でも検討してみてはいかがでしょうか。
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社外に対するSLA
業務システムや顧客向けのポータルサイト等のツール開発からインフラ管理等、情報システム部門の全ての業務を社内SEだけで行うことは現実的ではありません。なぜなら、多くの企業では低コストでコンプライアンスに対応したIT環境の整備が求められているからです。
外部へ発注した際のトラブルを未然に防止するために、事前にSLAを締結しサービス内容・範囲・品質等に関する保証基準を明確化しましょう。
<クラウドサービスで業務アプリを導入する場合のサービスレベルの一例>
- セキュリティ対策と継続性
- データ保護
- アカウント管理
- ログ管理
- データダウンロードの可否(再利用のため)
- システム間連携
- カスタマイズ
- 最新の法制度への適合
- サービス利用終了時のデータ移行
両社の認識の相違が起こらないように、出来る限り客観的な項目(定量的な数値)を定めることもポイントです。
また、一般的には「高レベルSLA=高コスト」になります。24時間365日フル稼働のシステムと夜間の決められた時間には停止するシステムでは運用コストに大きな差が出ます。万一トラブルが発生した場合に業務に与える影響を考慮した上で優先順位を見極め、必要な条件で見合ったサービスレベルを選択しましょう。
自社のとって社内SLAか社外SLAが良いかを検討
SLA(Service Level Agreement)について、重要なこと、社内SLA導入メリットや方法、社外SLA導入のメリットや方法について説明してきました。SLAの重要性を考え、自社において、「社内SLA導入か」、「社外SLA導入か」を検討する上でも、複数のSLA導入の外部委託業者のサービス内容を比較検討することをおすすめします。
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