情シスの退職リスク
一人情シスは、その人に業務が属人化する傾向があり、退職した際のリスクが高いです。セキュリティなど、他にも様々経営リスクをはらんでいます。ここでは、一人情シスのリスクと一人情シスが退職する場合の対応方法をまとめました。
一人情シスは経営リスク
情シスは、売上を直接生み出す部門ではないことから、一人だけで情シスを担当する「一人情シス」が常態化している企業も少なくありません。しかし、一人情シスは、経営上の大きなリスクになります。どんなリスクがあるか確認しておきましょう。
セキュリティリスクの増加
担当者一人に負荷がかかることで、セキュリティリスクが増加します。現状のセキュリティ状況を把握して、最新の状態に保つ役目を担う情シス。最近はリモートワーク特有のセキュリティ対策も必要です。しかし、情シス業務はセキュリティ管理だけではありません。すべてを一人で行っていると、セキュリティ体制が脆弱になり、情報漏えいなどの重大なリスクが生じる可能性が高まります。
ヘルプデスク対応の負担が大きい
情シスには、社員個人の「パスワードの紛失」「パソコンのフリーズ」といった小さな問題のヘルプが寄せられます。社員の仕事を優先すると、情シス本来の業務である社内システムの保守・管理や社内インフラの構築・運用業務が後回しになってしまいがちです。
業務の属人化
一人ですべての業務を抱えると、業務が属人化してしまいます。一人情シスが休暇を取った日に何かシステムトラブルが起こると対処できません。「ケガなどで急に長期休暇が必要になる」「離職する」など、一人に頼るのは大きなリスクです。
すぐやめてしまう
2021年12月9日に発表されたメタップスの調査によると、情シスで転職を考えている人は、37.7%でした。そのうち65.5%は実際に転職活動をしているというデータが出ています。※
情シスは業務負担が大きいこと、属人化してしまった業務の引継ぎが満足に行えていないことなどが原因で離職リスクが高い部門です。
※参照元:MONOist_キャリアニュース(https://monoist.itmedia.co.jp/mn/articles/2112/23/news020.html)
一人情シスが退職!対応方法を解説
上記のように、情シスは高確率で転職が起こります。一人情シスが退職してしまうと、業務が停止しかねません。ここでは、一人情シスが退職する際の対処方法を紹介します。
引継ぎドキュメントを作成させる
後任に引き継ぎをするのと同時に、引き継ぎドキュメントを作成して、後任が業務できる状態にしておく必要があります。情シスの後任探しは大変です。場合によっては退職日まで後任が決まらず引き継ぎがまともにできないかもしれません。引き継ぎできたとしても、すべてを引き継ぐ時間はないでしょう。引継ぎができずに後任が負担に感じてしまうというのは、さらなる離職を生み出します。後任が困らないよう、退職前に、以下のような引継ぎ用のドキュメントを作成してもらうよう指示しましょう。
- 保有するシステムの総合台帳
- ネットワーク構成図
- システム毎の構成図(ハード、ミドルウェア、ソフトウェア)
- システム毎の保守契約書とサポート先のリスト
- 基幹システムのマスターデータとバックアップデータの管理マニュアル
- 内作のソフトウェアがある場合はその設計書又は仕様書(RPAやVBAも)
- クライアントPCの管理台帳と更新計画書
システムの全体像が把握でき、各システムの管理マニュアルがあれば、日々の業務が行えます。何かあった場合のサポート先をリスト化しておくことも大切です。
経理や給与計算システムは、経理・人事の責任者に引き継いでもらうといいでしょう。後任人材の確保
情シスがいなくなれば、システムにトラブルが起こった際に業務全体が停止することになりかねません。退職が決まったなら、後任を確保する必要があります。しかし、後任人材の確保は苦労することを覚悟してください。
社内から異動させるのは難しい
後任を選ぶとき、社内からの異動は難しいかもしれません。それは情シスの業務イメージが原因です。情シスの仕事は他部門の社員からは何をしているのか分かりづらいという特徴があります。また、ヘルプデスク業務で時間に追われているのに評価されづらく、苦労が給料に反映されないというイメージを持っている社員が少なくありません。前任者の退職理由が業務内容への不満だった場合や情シスの離職率が高い職場では、社内からの異動を引き受けてくれる人材を見つけることは困難です。
社外の優秀な人材はすぐ決まってしまう
社内での人員確保が難しい場合は、社外からの採用をする必要があります。しかし、社外からの採用も厳しいのが現状です。一人情シスの後任には、一人情シスの経験者を探したいでしょう。しかし一人情シスの経験がある優秀な人材は、転職市場になかなか現れません。他の会社も情シスを探しているため、優秀な人材は転職市場に出るとすぐに決まってしまいます。あえて一人情シスの仕事で転職する人材の特徴として、経営支援を仕事のミッションとして掲げている人が多いです。そのため、給料などの条件はもちろん、企業の経営理念や社風、仕事の進め方などが自分のやり方と合致するかを重視する傾向があります。つまり、慎重に良い会社を選んでいるということです。好待遇で仕事を高く評価してもらえる企業に流れるため、強い魅力のない企業は、転職市場での情シス後任の確保が難しいと言えます。
情シス業務をアウトソースする
後任の確保が難しい場合は、アウトソーシングの検討をおすすめします。アウトソーシングするときのポイントは、社内の情シスに対応してもらう業務と社外に委託する業務の切り分けです。社内の情シスでなくてもできる仕事はアウトソースすることで、情シスの業務負担が軽くなります。業務内容が明確になれば、後任人材の確保もしやすいです。また、業務が明確であれば、経理や人事、総務など、関連部門の責任者が兼任するという方法も選択できるでしょう。
たとえば、情シスの負担になりがちな問合せやクレームなどの電話対応、システムメンテ・サーバー管理をアウトソースするだけでも、業務はスッキリします。情シスが社内システムの保守・管理や社内インフラの構築・運用業務といったコア業務に集中できるようになれば、社全体の業務効率もアップ。利益向上も期待できます。何より、情シス担当者の士気が上がり、離職を防止できるでしょう。
情シスのリスク回避にアウトソーシングが活用できる
一人情シスは、セキュリティや退職などのリスクが大きな部門です。しかし人的リソースを割く余裕がない会社では、一人情シスを余儀なくされてしまうでしょう。適切なアウトソーシングを実施することで、一人情シスのリスクは回避できます。社外でできることは、アウトソーシングを検討してみてはいかがでしょうか。
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情シス業務を引き継げる
本社所在地・対応範囲
所在地 | 東京都港区港南1丁目2番70号 品川シーズンテラス24F |
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対応 エリア |
日本全国 |
スク
を立ち上げられる
本社所在地・対応範囲
所在地 | 熊本県熊本市中央区辛島町3-20 NBF熊本ビル3階 |
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応相談 |
資産管理まで依頼できる
本社所在地・対応範囲
所在地 | 東京都千代田区大手町一丁目9番2号 大手町フィナンシャルシティ グランキューブ19F |
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